じんましんは、皮膚が急に赤く盛り上がり、強いかゆみを伴うことがある病気です。 特徴は、同じ発疹が数時間から1日以内に消えることが多い点です。
「食べ物のせいではないか」と心配されることも多いですが、じんましんは原因がはっきりしないことも少なくありません。 原因探しだけにこだわるより、まず症状をしっかり抑えることが大切です。
ふるかわスキンクリニックでは、急に出るじんましん、繰り返すじんましん、長引くじんましんについて診察します。
じんましんとは
じんましんは、皮膚の一部が急に赤く盛り上がり、かゆみを伴う病気です。
蚊に刺されたようなふくらみが、体のあちこちに出ることがあります。 大きさや形はさまざまで、地図のようにつながって見えることもあります。
多くの場合、同じ場所の発疹は数時間から1日以内に消えます。 ただし、別の場所にまた出ることがあります。
湿疹との違い
湿疹とじんましんは、どちらも赤みやかゆみを伴うため、患者さんには見分けにくいことがあります。
じんましんは、出たり消えたりするのが特徴です。 朝には消えていたのに、夕方にまた出ることもあります。
湿疹は、同じ場所に赤み、ブツブツ、カサカサ、じゅくじゅくが数日以上残ることが多いです。 かさぶたや皮むけがある場合は、湿疹やかぶれの可能性も考えます。
診察時に発疹が消えていることも多いため、症状が出ているときの写真を撮っておくと診断の参考になります。
原因が分からないことも多いです
じんましんは、食べ物、薬、感染症、疲労、ストレス、運動、汗、寒さ、圧迫、摩擦などをきっかけに出ることがあります。
ただし、特に慢性的に繰り返すじんましんでは、明確な原因が見つからないことも多くあります。
「原因を全部調べないと治らない」と思われがちですが、実際には原因が分からなくても、薬で症状をコントロールできることがあります。
特定の食べ物で毎回出る、薬を飲むと出る、運動や入浴で出る、寒い場所で出るなど、きっかけがはっきりしている場合は診察時にお伝えください。
急性じんましんと慢性じんましん
じんましんには、一時的に出るものと、長く繰り返すものがあります。
症状が出始めてから6週間以内のものを、急性じんましんと呼びます。 感染症、体調不良、食べ物、薬などをきっかけに出ることがあります。
6週間を超えて、じんましんが出たり消えたりを繰り返す場合は、慢性じんましんと考えます。 慢性じんましんでは、原因がはっきりしないことも多く、症状を抑える治療を続けながら調整していきます。
まぶた・唇が腫れるじんましん
じんましんでは、皮膚の盛り上がりだけでなく、まぶたや唇が腫れることがあります。 これを血管性浮腫といいます。
まぶたや唇だけが腫れて、かゆみが少ないこともあります。 数時間から数日で引くことがありますが、繰り返す場合は診察で確認しましょう。
のどの違和感、息苦しさ、声のかすれ、飲み込みにくさがある場合は、速やかに救急外来を受診してください。
アナフィラキシーに注意が必要な症状
じんましんに、皮膚以外の症状が重なる場合は、アナフィラキシーの可能性があります。
特に、息苦しさ、のどが詰まる感じ、声のかすれ、強いふらつき、意識がぼんやりする症状がある場合は、速やかに救急外来を受診してください。
- 息苦しい
- ゼーゼーする
- のどが詰まる感じがする
- 声がかすれる
- 唇、舌、まぶたが急に腫れる
- 吐き気や嘔吐がある
- 腹痛が強い
- ふらつく
- 意識がぼんやりする
- 顔色が悪い
- 全身にじんましんが急に広がる
処方済みのアドレナリン自己注射薬がある方は事前の指示に従って使用し、その後も速やかに救急要請してください。
検査は全員に必要ではありません
じんましんでは、「アレルギー検査をすれば原因が分かる」と思われることがあります。
しかし、慢性的に続くじんましんでは、検査をしても原因がはっきり分からないことが多くあります。 検査よりも、症状の出方、持続時間、きっかけ、内服薬、写真を確認することが大切です。
次のような場合は、必要に応じて検査を検討します。
- 毎回同じ食べ物で出る
- 薬を飲むと出る
- 発熱や関節痛など全身症状がある
- 体重減少や強いだるさがある
- じんましん以外の病気が疑われる
- 長引いて治療方針を見直す必要がある
「じんましんがあるから、とりあえず全部の食べ物を調べる」という検査は、必ずしも有用ではありません。
治療の中心は飲み薬です
じんましんの治療は、抗ヒスタミン薬などの飲み薬が中心です。
繰り返すじんましんは塗り薬だけでは抑えにくいため、症状に合わせて飲み薬を調整します。
症状が繰り返す場合は、内服薬で出にくい状態を作ることを考えます。 薬は「出た日だけ飲む」よりも、一定期間続けて飲む方が安定することがあります。
特に慢性じんましんでは、症状が出ていない日も内服を続けながら、落ち着いてきたら少しずつ減らすことがあります。 自己判断で急に中止すると、また元通り出ることがあります。
薬の減らし方は診察時に相談しましょう。
すぐに受診できないとき
すぐに医療機関を受診できない場合、市販薬として抗ヒスタミン薬を購入できることがあります。
薬局では、じんましんや皮膚のかゆみに使える内服薬について、薬剤師や登録販売者に相談できます。 眠気が出やすい薬もあるため、車の運転、仕事、学校、年齢、妊娠・授乳、持病、ほかの内服薬がある場合は必ず確認してください。
薬の種類や量を調整します
抗ヒスタミン薬にはいくつか種類があります。
薬によって、眠気の出やすさ、効き方、1日の内服回数が異なります。 仕事、学校、運転、勉強、眠気の出やすさなども考えて選びます。
通常量で十分に症状が抑えられない場合は、薬を変更したり、量を調整したり、ほかの薬を組み合わせたりすることがあります。 長引くじんましんでは、症状の強さに合わせて段階的に治療を調整します。
多くのじんましんは、クリニックで内服薬を調整しながら対応できます。 原因が分からないじんましんでも、薬で症状を抑えられることがあります。
内服薬で十分に抑えられない慢性じんましん
慢性じんましんで、抗ヒスタミン薬を調整しても十分に症状が抑えられない場合は、注射薬を検討することがあります。
代表的な薬に、次のようなものがあります。
- ゾレア
一般名:オマリズマブ
- デュピクセント
一般名:デュピルマブ
これらは、通常の内服薬で十分にコントロールできない慢性じんましんで検討する治療です。 誰にでも最初から使う薬ではありません。
症状の期間、重症度、これまでの治療内容、年齢、持病、費用などを確認したうえで判断します。 高額な薬になるため、保険負担割合や高額療養費制度も含めて確認します。
自宅でできること
じんましんは、悪化しやすいきっかけを減らすことで楽になることがあります。
- 症状が出ているときの写真を撮る
- 食事、薬、運動、入浴との関係をメモする
- かゆいときは冷やす
- 熱いお風呂を避ける
- 飲酒で悪化する場合は控える
- 運動や汗で悪化する場合は様子を記録する
- 処方薬を指示通り飲む
- 強く掻かない
特に写真は重要です。 診察時にじんましんが消えていることも多いため、発疹が出ているときの写真があると診断の助けになります。
避けたいこと
次のような対応は避けてください。
- 原因を決めつけて極端な食事制限をする
- 毎回違う食品を疑って食事を減らし続ける
- かゆみで掻き壊す
- 呼吸苦があるのに様子を見る
- 唇やまぶたが腫れているのに放置する
- 症状が消えたら自己判断で薬を急に中止する
- 市販薬だけで長く様子を見る
- 飲酒や熱い入浴で悪化するのに繰り返す
- 塗り薬だけで治そうとする
食べ物が心配な場合も、自己判断で大きく制限する前に診察で相談しましょう。同じ食品で毎回出るか、食事と発疹のタイミングを記録しておくと参考になります。
受診をおすすめする状態
次のような場合は、皮膚科での相談をおすすめします。
- じんましんを繰り返す
- かゆみが強い
- 夜眠れない
- 6週間を超えて続いている
- 市販薬で改善しない
- 薬をやめるとすぐ出る
- まぶたや唇が腫れる
- 食べ物や薬が関係しているか心配
- 入浴、運動、汗、寒さ、圧迫で出る
- 原因が分からず不安
- 発疹の写真を見てほしい
- 注射薬の治療について相談したい
じんましんは、原因が分からなくても治療できることがあります。 「原因が分からないから仕方ない」と我慢しすぎず、ご相談ください。
繰り返すじんましんの診察・薬の調整
診察では、発疹の出方、持続時間、かゆみ、きっかけ、内服薬、食事、感染症、写真を確認します。症状に合わせて抗ヒスタミン薬などを調整し、悪化のきっかけや検査が必要かを判断します。
当院で相談できる内容は次の通りです。
- 急に出たじんましん
- 繰り返すじんましん
- 6週間を超えて続くじんましん
- かゆみが強いじんましん
- 夜に悪化するじんましん
- まぶたや唇の腫れ
- 食べ物や薬が心配なじんましん
- 運動・入浴・汗・寒さで出るじんましん
- 抗ヒスタミン薬の調整
- 市販薬で良くならないじんましん
- アレルギー検査が必要かどうかの相談
- エピペンが必要かどうかの相談
- ゾレア、デュピクセントなど注射薬の相談
多くのじんましんは、クリニックで対応可能です。 内服薬の種類や量を調整しながら、症状が出にくい状態を目指します。
よくある質問
じんましんの原因は食べ物ですか?
食べ物が原因のこともありますが、原因が特定できないことも多いです。
毎回同じ食品で出る、食後すぐに出る、運動や飲酒と重なると出るなど、関係がありそうな場合は記録してご相談ください。 自己判断で食事を極端に制限するのはおすすめしません。
湿疹とどう違いますか?
じんましんは、赤く盛り上がった発疹が出たり消えたりするのが特徴です。 同じ発疹が数時間から1日以内に消えることが多いです。
湿疹は、同じ場所に赤み、カサカサ、ブツブツ、じゅくじゅくが残ることが多いです。
じんましんが出たときの写真は必要ですか?
あると診察の参考になります。
じんましんは診察時に消えていることがあります。 発疹が出ているときに、全体と近くの写真を撮っておくと、症状の確認に役立ちます。
塗り薬は効きますか?
じんましんでは、塗り薬だけではほとんど効果が期待できません。
じんましんは出たり消えたり場所を変えて出るため、治療の中心は抗ヒスタミン薬などの飲み薬です。 塗り薬で少しかゆみが紛れることはありますが、繰り返すじんましんを抑える治療にはなりにくいです。
すぐ受診できないときは市販薬を使ってもいいですか?
市販薬として抗ヒスタミン薬を購入できることがあります。
薬局で、じんましんや皮膚のかゆみに使える内服薬を相談してみてください。 眠気、年齢、妊娠・授乳、持病、ほかの内服薬には注意が必要です。
薬はいつまで飲みますか?
症状の期間や再発のしやすさによって変わります。
急性じんましんでは短期間で落ち着くことがあります。 慢性じんましんでは、症状が出ていない日も一定期間薬を続け、落ち着いてから少しずつ減らすことがあります。
症状が消えたら薬をやめてもいいですか?
自己判断で急にやめると、また出てくることがあります。
特に慢性じんましんでは、薬で症状を抑えながら、落ち着いた状態を維持し、その後に少しずつ減らすことがあります。 減らすタイミングは診察時に相談してください。
検査で原因は分かりますか?
必要に応じて採血などを行うことがあります。
ただし、慢性じんましんでは原因がはっきりしないことも多いです。 検査だけでなく、症状の出方、写真、きっかけ、薬の反応を合わせて判断します。
まぶたや唇が腫れます。じんましんですか?
血管性浮腫というタイプのじんましんのことがあります。
のどの違和感、息苦しさ、声のかすれ、飲み込みにくさがある場合は、速やかに救急外来を受診してください。
ゾレアやデュピクセントは誰でも使えますか?
誰でも使う薬ではありません。
抗ヒスタミン薬などの通常治療で十分に症状が抑えられない慢性じんましんで検討します。 高額な薬であり、症状の期間、重症度、治療歴、年齢、費用などを確認したうえで判断します。
救急に行く目安はありますか?
息苦しさ、のどの違和感、唇や舌の腫れ、ふらつき、繰り返す嘔吐、ぐったり、意識がぼんやりする症状がある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。
このような症状があるときは、速やかに救急外来を受診してください。