水いぼ(伝染性軟属腫)は、ポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウイルスによって引き起こされるウイルス性の皮膚感染症です。この病気は子供、特に幼児や学童期の子どもたちに多く、とりわけプールや公衆浴場などの共有施設を利用する機会が増える幼稚園や小学校の年齢層で多く見られます。主な感染経路が接触感染のためアトピー性皮膚炎や湿疹などで皮膚のバリア機能が低下している方が感染しやすいです。
症状
水いぼの主な症状は、直径2~5mmのドーム型で独特の光沢をもつ”いぼ”が皮膚に現れます。
通常、痛みや痒みなどの自覚症状は乏しいですが、時々痒みを感じる方もいます。
また、いぼを搔きむしることで他の部位に感染を広げてしまうこともあります。
原因
水いぼの原因は伝染性軟属腫ウイルスで、このウイルスを直接触ることで感染したり、ウイルスがついたタオルや衣類、ビート板などを介して感染します。そのためプールや公衆浴場などの肌への接触が多い環境で感染しやすくなります。
治療方法
水いぼの治療は、自然治癒を待つ方法と、積極的な治療を行う方法があります。
自然治癒の場合、数ヶ月から数年でいぼが自然に消えることがありますが、その間に感染を広げないように注意が必要です。また、自然治癒する際にモルスクム反応と呼ばれる湿疹や痛みを伴うことがあります。
積極的な治療法としては物理的に水いぼを塊で摘除します。痛みを伴うため処置を行うおよそ60分前に局所麻酔テープ(ペンレステープ)を水いぼの部位に貼付し、除去します。
自然治癒を待つか、積極的な治療を行うかは皮膚科・小児科の間でも意見が分かれていますが、ほとんどの場合半年から2年以内に自然治癒するため当院では基本的に水いぼの物理的な摘除は行わなず、自然治癒やm-BFクリームの外用での治療を行う方針としています。(※ 個数が数個程度と少ない場合などは摘除すること可能です。ご相談ください)
m-BFクリームは銀を配合した水いぼ専用クリームです。ただし保険適応となっていないため院内にて自費にて販売しております。(税込2,200円)
水いぼは通常半年から2年という長い時間をかけて自然に改善しますが、m-BFクリームをご使用いただくことで、半数の方が2ヶ月以内に、8割の方が2〜3ヶ月で改善したとの報告があります。
(写真参考:3aims 参考論文 https://3aims.jp/society-article/)
使用方法は1日2回 水いぼがある部位に塗ってください。
一部の部位で発赤・腫脹が強く、浸出液も出る場合があり化膿している様に見える事がありますが、免疫反応が強く働いているためですので、そのまま使い続けて大丈夫です。
ただし、かゆみが強く増強したら水いぼ以外の部位に赤みが出る場合は接触皮膚炎(かぶれ)の可能性もありますのでその際は使用を中止して、ご来院ください。
ワンポイントアドバイス
水いぼの感染を防ぐために以下のポイントに注意してください
- いぼを掻きむしらないこと。
- 水いぼがある方とタオルや衣類、ビート板などを共有しないこと。
- 皮膚が乾燥しないように保湿を行い、バリア機能を維持すること。
- 湿疹がある際は早めに皮膚科を受診して治すこと。