乾癬とは?症状・原因・治療の選び方|向日市の皮膚科
乾癬(かんせん)は、皮膚の免疫反応が関与する慢性の炎症性疾患です。
赤い盛り上がり(紅斑)と、白〜銀色の皮膚の粉(鱗屑)が特徴です。
感染症ではないため、他人にうつる病気ではありません。
乾癬の症状の特徴
よくみられるのは「尋常性乾癬」というタイプです。
肘や膝などの伸側、腰回り、臀部、頭皮に出やすい傾向があります。
こすれ・圧がかかる部位に出やすい理由
乾癬では、外傷や摩擦をきっかけに皮疹が出ることがあります。
これを「ケブネル現象(外傷誘発)」と呼びます。
皮膚以外の症状にも注意
爪の変形、関節痛、朝のこわばりがある場合は、乾癬性関節炎の可能性があります。
皮膚症状より生活への影響が大きくなることがあるため、早めの相談が大切です。
原因は?遺伝と環境が関与します
乾癬の原因は1つに特定できません。
体質(遺伝的背景)と、環境要因が重なって発症・増悪すると考えられています。
よくある悪化因子
- こすれ・外傷(ケブネル現象)
- 肥満、喫煙
- 過度の飲酒
- 精神的ストレス、睡眠不足
- 感染症や薬剤が関与することもあります
有病率の目安
乾癬は欧米で2〜4%程度とされ、日本では約0.3%前後と報告されています。
乾癬の治療は「重症度」と「生活への影響」で選びます
乾癬は「完全に治し切る」よりも、寛解を維持して生活で気にならない状態を目指します。
治療は段階的で、外用から始め、必要に応じて光線・内服・注射へ進みます。
外用治療(軽症〜中等症の基本)
まずは外用薬で炎症と鱗屑を抑えます。
- ステロイド外用薬
- 活性型ビタミンD3外用薬
- 必要に応じて両者の併用
塗り方と塗る量で効果が大きく変わるため、当院では使い方を具体的に説明します。
光線療法(外用だけで不十分な場合)
一定の範囲に広がる場合や、外用で十分に抑えきれない場合に検討します。
病型や生活背景により適応が変わります。
内服治療(中等症〜重症で検討)
皮膚の範囲が広い、再燃を繰り返す、生活の支障が大きい場合に検討します。
薬剤は複数あり、合併症や妊娠希望の有無なども踏まえて選択します。
注射治療(生物学的製剤など)
重症例、関節症状を伴う例、他治療で十分でない例で検討されます。
効果が期待できる一方、感染症リスク評価や定期検査が重要です。
当院が大切にしている治療目標
乾癬のゴールは「皮疹をゼロに近づけること」だけではありません。
温泉やプール、服装、仕事や対人関係など、生活で気にならない状態を目指します。
その状態を維持できるよう、治療強度と副作用リスクのバランスを取りながら調整します。
京都府向日市のふるかわスキンクリニック(皮膚科・美容皮膚科)でご相談ください。