手足口病は、子どもに多いウイルス感染症です。
手のひら、足の裏、足の甲、口の中などに小さな水ぶくれや赤いぶつぶつが出ることが多く、夏に流行しやすい病気です。
多くは数日で自然に改善しますが、
「本当に手足口病なのか」
「保育園・幼稚園に行ってよいのか」
「水ぼうそうやとびひではないか」
と迷うことも少なくありません。
ふるかわスキンクリニックでは、手足・口・おしりなどの発疹を診察し、手足口病らしい経過か、他の皮膚の病気ではないかを確認します。
手足口病とは
手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどが原因で起こる感染症です。
名前の通り、手・足・口に発疹が出ることが多いですが、実際にはおしり、膝、肘、太ももなどに出ることもあります。
また、必ずしも「手・足・口すべて」に症状がそろうわけではありません。
口の症状が目立たない場合や、発疹の場所が典型的でない場合もあります。
2026年の流行と、最近の流行周期について
手足口病は、毎年夏を中心に増える感染症です。
ただし、流行の大きさは年によって大きく違います。
以前は、2011年、2013年、2015年、2017年、2019年のように、比較的2年ごとに大きな流行が目立つ時期がありました。
その後、新型コロナウイルス流行後は、感染症全体の流行パターンが乱れ、手足口病も以前のような単純な周期では説明しにくくなっています。
2021〜2023年は、例年の夏ピークからずれて秋ごろに増える年がありました。2024年は夏と秋に山があるような二峰性の流行がみられ、2025年は大きな流行は目立ちませんでした。
2026年は、6月時点で全国的に手足口病が増加しています。
京都府内でも、2026年第25週時点で山城北地域で警報レベルが継続しており、向日市・長岡京市を含む乙訓周辺でも、6月中旬より手足口病の患者が増えています。
「今年は周りで手足口病が多い」と感じる場合は、発疹の場所や経過だけでなく、地域の流行状況も診断の参考になります。
どんな症状が出ますか?
手足口病では、感染してから数日後に次のような症状が出ます。
- 手のひら、足の裏、足の甲の赤いぶつぶつや水ぶくれ
- 口の中の水ぶくれ、口内炎のような痛み
- おしり、膝、肘、太ももなどの発疹
- 発熱
- 食べにくい、飲みにくい
- よだれが増える
- 機嫌が悪い
熱は高くないことも多く、元気なまま発疹だけで気づくこともあります。
一方で、口の中が痛くて水分が取れない場合は、脱水に注意が必要です。
また、原因ウイルスの型によっては、発疹が水ぼうそうのように見えることがあります。数週間後に爪が浮いたり、はがれたりすることもありますが、多くは自然に生え変わります。
手足口病と間違いやすい病気
手足口病は、見た目だけで判断しにくいことがあります。
特に、次のような病気と迷うことがあります。
- 水ぼうそう
- とびひ
- 虫刺され
- 汗疹
- 接触皮膚炎
- 薬疹
- ヘルパンギーナ
- 単純ヘルペス感染症
「園で手足口病が流行っているから、たぶん手足口病」と思っていても、実際には別の病気のこともあります。
発疹が急に広がる、膿んでいる、強く痛がる、全身に広がっている、見た目がいつもと違う場合は、皮膚科で確認しておくと安心です。
受診した方がよいサイン
手足口病は自然に改善することが多い病気ですが、次のような場合は受診をおすすめします。
- 水分があまり取れない
- 尿が少ない
- ぐったりしている
- 高熱が続く
- 強い頭痛、嘔吐がある
- 首を痛がる、意識がぼんやりしている
- 発疹が急に広がっている
- 水ぼうそう、とびひ、薬疹などと区別がつかない
- 乳児で症状が強い
- 兄弟や園で流行していて判断に迷う
特に、ぐったりしている、水分が取れない、意識がぼんやりしている、強い頭痛や嘔吐がある場合は入院が必要になるケースもありますので、小児科や救急受診も検討してください。
治療はどうしますか?
手足口病そのものを早く治す特効薬はありません。
抗菌薬も、通常の手足口病には効果がありません。
治療は、症状を和らげながら自然に回復するのを待つことが中心です。
口の中が痛い場合は、熱いもの、酸っぱいもの、しみるものを避け、冷たくて飲み込みやすいものを少しずつ取るようにします。
食事量よりも、水分が取れているかが大切です。
ゼリー、プリン、豆腐、冷ましたおかゆ、冷たいうどんなどは食べやすいことがあります。
皮膚の発疹がかゆい、掻き壊している、じゅくじゅくしている場合は、外用薬などを使うことがあります。
とびひのように二次感染を起こしていないかも診察で確認します。
登園・登校はいつから?
手足口病は、発疹が残っているだけで一律に登園・登校できない病気ではありません。
目安は次の3つです。
- 熱がない
- 全身状態がよい
- 口の痛みが強くなく、普段の食事や水分が取れる
発疹が少し残っていても、元気で食事が取れていれば登園・登校できることがあります。
ただし、園や学校によって独自のルールがある場合があります。
登園届や登園許可証が必要かどうかは、通っている園・学校に確認してください。
家庭で気をつけること
手足口病は、飛沫、接触、便を介した感染で広がります。
家庭では、次のことを意識しましょう。
- 石けんと流水で手を洗う(手足口病のウイルスはアルコール消毒が効きにくいです)
- タオルを共有しない
- おむつ交換後はしっかり手洗いする
- 食器やコップの共有を避ける
- 口に入れやすいおもちゃを清潔にする
- 体調が悪い間は無理に登園・登校しない
症状が治った後もしばらく便からウイルスが出ることがあります。
そのため、「発疹が消えるまで完全に隔離する」よりも、日常的な手洗いを続けることが大切です。
ふるかわスキンクリニックで相談できること
ふるかわスキンクリニックでは、手足口病が疑われる発疹について、保険診療で診察しています。
当院で確認できることは、主に次の内容です。
- 手足口病らしい発疹かどうか
- 水ぼうそう、とびひ、虫刺され、薬疹などではないか
- 掻き壊しや二次感染がないか
- かゆみや痛みに対する皮膚のケア
- 登園・登校の目安についての相談
向日市・東向日駅周辺で、お子さんの手足・口・おしりのぶつぶつが気になる場合は、皮膚科でご相談ください。
よくある質問
口にぶつぶつがなくても手足口病ですか?
口の症状が目立たない場合もあります。
手足の発疹、園での流行状況、発熱の有無、経過などを合わせて判断します。
大人にもうつりますか?
大人にもうつることがあります。
大人がかかると、発疹の痛みが強かったり、だるさが目立ったりすることもあります。
発疹が残っていても登園できますか?
熱がなく、元気で、普段の食事や水分が取れていれば、発疹が残っていても登園できることがあります。
ただし、園のルールは必ず確認してください。
手足口病に抗菌薬は必要ですか?
通常の手足口病はウイルス感染症なので、抗菌薬で治す病気ではありません。
ただし、掻き壊しからとびひのような二次感染を起こしている場合は、診察で治療を判断します。
爪がはがれてきました。大丈夫ですか?
手足口病のあと、数週間して爪が浮いたり、はがれたりすることがあります。
多くは自然に生え変わりますが、痛み、赤み、腫れ、膿がある場合は受診してください。