1. はじめに(くり返すニキビで悩んだら)
公開日:2023-11-08/最終更新日:2026-02-09
ニキビ(尋常性ざ瘡)は「よくある肌トラブル」に見えて、実際は毛穴の中で炎症がくり返しやすい病気です。放っておくと自然に落ち着くこともありますが、赤みが長引いたり、つぶしてしまったりすると、赤み・色素沈着・へこみ(クレーター)などの“跡”につながることがあります。
にきび跡の治療は、保険診療だけでは難しく、自由診療(保険適用外)が中心になることが多い分野です。治療内容によっては痛みやダウンタイム(赤み・かさぶた等)が出ることがあり、費用負担も大きくなりやすい傾向があります。そのため当院では、少しでもにきび跡にならないように、早い段階からのにきび治療と、落ち着いた後の再発予防(維持療法)を特に重視しています。
皮膚科では、今出ているニキビを抑えるだけでなく、落ち着いた後に再発を減らす治療(維持療法)まで含めて組み立てます。向日市・長岡京市・乙訓エリアで「薬が合わない気がする」「大人になってからあご周りにくり返す」「背中ニキビが治らない」「跡が残りそうで不安」などが気になる方はご相談ください。
2. 疾患の概要
ニキビは、毛穴に皮脂や角質がたまって詰まる状態(面皰:めんぽう)から始まり、毛穴の中で炎症が起きると赤ニキビ・膿ニキビへ進むことがあります。顔だけでなく、胸や背中など体幹部にも出ることがあります。
思春期に多い一方で、20代以降の大人ニキビ(あご・フェイスラインなど)として続くこともあります。きっかけや悪化のしかたは人によって幅があるため、同じ「ニキビ」でも治療の方法は変わってきます。
3. 主な症状(白ニキビ・赤ニキビ・背中ニキビなど)
ニキビでよくみられる症状は次のとおりです。
- 白ニキビ:毛穴が詰まり始めた状態
- 黒ニキビ:詰まりが酸化して黒く見える状態
- 赤ニキビ:炎症で赤く腫れて痛むことがある
- 膿ニキビ:炎症が強く、膿を伴うことがある
- しこり(結節):硬く大きく、長引くことがある(跡が残りやすい傾向)
注意
ニキビに似た病気(毛嚢炎、マラセチア毛包炎、酒皶(しゅさ)、皮膚炎など)が紛れることがあります。市販薬で良くならない、痛みが強い、急に悪化した、同じ場所にくり返す場合は、診察で状態を確認しましょう。
4. 原因・悪化因子(マスク・摩擦・生活リズムなど)
ニキビには主に次の要素が関わるとされています。
- 皮脂分泌の増加
- 毛穴の詰まり(角化異常)
- 毛穴内の細菌の増殖
- 炎症
悪化のきっかけとして、次のようなことが重なるとニキビが目立ちやすくなることがあります。
- マスク、ヘルメット、髪の毛などの摩擦
- 汗・蒸れ(運動、夏場、背中など)
- 触る・つぶす・こする習慣(無意識に触ってしまう等)
- 化粧品・整髪料が肌に合わない、落とし方が強すぎる
- 睡眠不足などで生活リズムが乱れる
食事については、特定の食べ物を一律に制限することは推奨されないとされています。気になる食べ物がある場合は、食生活と肌の変化を一緒に振り返りながら、無理のない範囲で調整を考えます。
また、食事の影響については決定的なことがすべて分かっているわけではありませんが、一部の研究では高GI(グリセミック・インデックス)や高グリセミック負荷の食事が、にきびの出やすさ・重症度と関連する可能性が示されています。GIは、炭水化物を含む食品が食後の血糖値をどれだけ急に上げやすいかを数値で表した指標です。パンや菓子類、砂糖の多い飲料などが続くと「悪化した気がする」という方もいるため、思い当たる場合は、主食や間食の選び方を少し見直してみるのも一つの方法です(個人差があります)。
5. 似た病気との違い
ニキビに見えても、実際には次のような病気が隠れていることがあります。
- 毛嚢炎(毛穴の感染で、膿を伴うぶつぶつが増える)
- マラセチア毛包炎(汗・蒸れが増える時期に、胸や背中に「同じ大きさのぶつぶつ」が増えてかゆいことがあります。コメド(白・黒ニキビ)が目立ちにくいことがヒントになりますが、見た目だけでの鑑別は難しいこともあります。ニキビの治療で使う抗菌薬が合わない/効きにくいケースもあり、治療が変わります)
- 酒皶(しゅさ)(赤み・ほてり・ぶつぶつが続くが、面皰が少ないことが多い)
- 接触皮膚炎(化粧品や外用薬が合わず、赤み・かゆみが強い)
見た目が似ていると対応が変わるため、「ニキビの薬で悪化した気がする」「同じ場所がずっと赤い」などがある場合は早めにご相談ください。
6. 受診の目安(早めに相談したいサイン)
次のような場合は、皮膚科で相談するのがおすすめです。
- 赤ニキビ・膿ニキビが増えてきた/痛みがある
- 市販薬を使っても改善が乏しい
- 背中や胸など広い範囲に出ている(塗りにくく長引きやすい)
- しこり(結節)がある、同じ場所にくり返す
- 跡(赤み、茶色、へこみ)が心配
- かぶれやヒリヒリで外用薬が続けられない
市販薬で改善するケースもありますが、にきびは保険診療で使える治療選択肢が増えているため、「市販薬で粘っているがくり返す」「跡が心配」「背中まで広がってきた」などの場合は、早めに皮膚科で方針を相談するほうが近道になることがあります。
早めに相談したいサイン
顔全体が強く腫れる、強い痛みが続く、水ぶくれ・びらんが出る、発熱を伴うなど、ふだんと違う強い症状があるときは、我慢せず早めにご相談ください。
7. 検査・診断
多くは、皮疹の種類(面皰、赤み、膿、しこりなど)と分布(顔/体幹部)を確認し、これまでの経過(いつから、どんなきっかけで、何を使ったか)を聞いたうえで診断します。
月経不順や多毛など他の症状を伴う場合などは、必要に応じて追加の確認や連携先の相談を行うことがあります。
8. 保険診療での治療選択肢(急性期→維持期が基本)
ニキビ治療は、大きく急性期(炎症を抑える時期)と、落ち着いた後の維持期(再発を減らす時期)に分けて考えます。赤みが引いたところで急に全部やめてしまうと、同じ場所にくり返しやすくなります。
外用薬(塗り薬)
- 過酸化ベンゾイル外用(ベピオ®ゲル、ベピオ®ローション、ベピオ®ウォッシュゲル):面皰(白・黒ニキビ)と炎症性皮疹(赤ニキビ)に用いられることがあります
- 皮膚の乾燥、赤み、ヒリヒリ、皮むけが出ることがあります
- 衣類やタオルの脱色が起こることがあります
- 外用レチノイド(アダパレン等:ディフェリン®ゲルなど):毛穴の詰まりを改善し、再発を減らす目的で使われることがあります
- 乾燥、刺激感、皮むけが出ることがあります(開始2週間前後に目立つことが多いです)
- 配合剤(エピデュオ®ゲル、デュアック®配合ゲルなど):炎症や毛穴づまりの両方を狙う目的で使うことがあります
- 皮膚刺激が出やすいことがあるため、塗り方・頻度調整が大切です
- 外用抗菌薬:赤ニキビが増えている時期に使うことがあります
- 抗菌薬は長期連用を避け、炎症が落ち着いたら維持療法へ移行するのが基本です
ポイント(塗り薬が続きにくいとき)
「効かない」の前に「刺激で続けられない」が起きていることが少なくありません。塗る量・頻度の調整、保湿の工夫、塗る順番の見直しなどで継続しやすくなることがあります。
内服薬(飲み薬)
- 内服抗菌薬:炎症が強い、中等症以上などで短期間使うことがあります
- 体質や併用薬、妊娠の可能性などで選択が変わります
- 長期連用は避け、状態に合わせて減量・中止を検討します
処置(必要に応じて)
- 面皰圧出(毛穴の詰まりを出す処置):状態によっては選択肢になることがあります
保険診療で十分でない場合の選択肢(自由診療)
保険診療をしっかり行っても改善が不十分な場合や、「にきび跡(赤み・色素沈着・へこみ)まで含めて相談したい」場合は、自由診療(保険適用外)を検討することがあります。向き不向き、回数の目安、痛み・ダウンタイムは治療ごとに異なるため、診察で一緒に整理します。
- ケミカルピーリング:毛穴づまりや肌のざらつきが気になる場合に選択肢になることがあります(刺激感、乾燥、赤みが出ることがあります)
- ブルージェネシス(ブルーレーザー):皮脂や毛穴の詰まり、赤みなどが気になる方で相談されることがあります(赤みなどが出ることがあります)
- イソトレチノイン内服:重症・難治のにきびで検討されることがあります。副作用(乾燥、肝機能・脂質の変化など)や、妊娠に関わる重要な注意点があるため、適応や検査の必要性を含めて慎重に判断します
- アゼライン酸(化粧品等):肌質や刺激の出やすさによっては選択肢になることがあります
当院の自由診療については、詳しくは下記も参考にしてください。
- ブルーレーザー治療:https://furukawa-skin-clinic.com/blue-laser/
- 自由診療の料金表:https://furukawa-skin-clinic.com/price3/
- 重症ニキビの治療:https://furukawa-skin-clinic.com/treatment/seriousacne/
皮膚科で大切にしたいこと(当院の考え方)
- 急性期→維持期の見通しを共有し、「やめ時」「続け時」を一緒に決める
- 刺激が出やすい薬は、続けられる使い方に調整する
- 背中ニキビなど塗りにくい部位は、剤形や塗り方を工夫する
※ニキビ跡(へこみなど)は、保険診療の治療だけでは十分な改善が難しいことがあります。状態によっては保険適用外の治療を検討する場合もあるため、診察でご相談ください。
9. 日常ケア・再発予防(洗顔・保湿・触らない)
治療と同じくらい大切なのが、肌への負担を減らして「続けられる形」に整えることです。
- 洗顔は1日2回を目安に、こすらず泡で洗う(洗いすぎに注意)
- 乾燥しやすい薬を使うときは、保湿を組み合わせる
- 気になっても触らない/つぶさない(跡や悪化の原因になります)
- マスクや髪の毛、衣類の摩擦が強い場合は、当たる場所を見直す
- 背中は汗・摩擦が増えやすいので、運動後は早めに汗を流す
10. FAQ(よくある質問)
Q1. ニキビは何科に行けばいいですか?皮膚科でいいですか?
まずは皮膚科で相談して大丈夫です。ニキビに似た別の病気が隠れていないかも含めて確認し、状態に合わせた治療を組み立てます。
Q2. 皮膚科のニキビの薬はいつまで続けますか?
炎症が強い時期(急性期)をまず落ち着かせ、その後は再発を減らすために維持療法へ移行します。ニキビは落ち着いた後も毛穴の中に“できやすさ”が残ることがあるため、自己判断で急に中止せず、受診時に「次の目標」を確認しましょう。
Q3. 塗り薬でヒリヒリ・皮むけします。やめたほうがいいですか?
乾燥や刺激感は、治療開始後しばらくして出ることがあります。塗る量を減らす、隔日にする、保湿を増やすなどで続けやすくなることが多いです。ただし、水ぶくれ・びらん、強い腫れなどがある場合は中止して早めにご相談ください。
Q4. 大人ニキビ(あご・フェイスライン、生理前に悪化)も保険で治療できますか?
保険診療の治療選択肢で改善を目指せることがあります。生活背景や肌の刺激の受けやすさ、これまでの治療歴も含めて、続けやすい方法を一緒に探します。
Q5. 背中ニキビは顔と同じ治療ができますか?塗りにくいときは?
考え方は共通ですが、背中は汗・摩擦の影響や「塗りにくさ」があり、薬の形や塗り方の工夫が重要です。続けにくい場合は遠慮なくご相談ください。
Q6. 胸や背中の「かゆい同じぶつぶつ」はニキビですか?(マラセチア毛包炎との違い)
ニキビ(尋常性ざ瘡)以外に、マラセチア毛包炎などが隠れていることがあります。目安として、マラセチア毛包炎ではコメド(白・黒ニキビ)が目立ちにくいことがあります。ただし、実際には混在することもあり、写真や見た目だけで決めるのは難しいため、診察で皮疹の種類や分布を確認して方針を決めます。
本文で触れた主な外用薬(販売名)
- ベピオ®ゲル/ベピオ®ローション/ベピオ®ウォッシュゲル
- ディフェリン®ゲル
- エピデュオ®ゲル
- デュアック®配合ゲル
11. まとめ(向日市・長岡京市・乙訓でニキビ治療の相談先を探す方へ)
ニキビは、毛穴の詰まりと炎症が重なって起こる病気で、落ち着いた後の維持療法まで含めて治療を組み立てると再発を減らしやすくなります。刺激で薬が続かないケースも多いため、塗り方・頻度・保湿などを調整しながら、続けられる方法を一緒に探すことが大切です。
当院については、初めての方は「当院について」も参考にしてください。https://furukawa-skin-clinic.com/features/
参考(情報の出どころ)
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023/公益社団法人日本皮膚科学会/https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023.pdf(閲覧日:2026-02-09)
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023/Mindsガイドラインライブラリ/https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00827/(閲覧日:2026-02-09)
- にきび(皮膚科Q&A)/公益社団法人日本皮膚科学会/https://qa.dermatol.or.jp/qa3/(閲覧日:2026-02-09)
- Diet and acne: A systematic review/JAAD International(American Academy of Dermatology)/https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8971946/(閲覧日:2026-02-09)
- デュアック配合ゲル 審査報告書/独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)/https://www.pmda.go.jp/drugs/2015/P201500002/340278000_22700AMX00635_A100_1.pdf(閲覧日:2026-02-09)
- ベピオウォッシュゲル5% 審査報告書/独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)/https://www.pmda.go.jp/drugs/2025/P20250402001/730155000_30700AMX00064_A100_1.pdf(閲覧日:2026-02-09)
向日市・長岡京市・乙訓エリアでニキビ(尋常性ざ瘡)が疑われる症状が続く場合は、自己判断せず皮膚科へご相談ください。WEB予約:https://furukawa.mdja.jp/ /アクセス:https://furukawa-skin-clinic.com/access/